愛媛大学映画研究会
MOVIE

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●2008年度作品

「砂にしたたる赤」 (2008年度) 約30分
脚本・監督・撮影・編集:楠原佑基
<STORY>

日々の暮らしの中で少しづつ積み重なっていくもの、心に、体に積み重なっていくそれらによって追い詰められていく感覚に襲われる青年、章太。ただひたすらに章太を愛し、それゆえに傷ついてゆく少女、凪。二人の想いはすれ違い、それでも凪は章太を想い続け……、章太は行くあてもなく彷徨い続け、いつしか幻想の海へと迷い込む。そこにいた一人の少女、彼女とのやりとりが、章太の中の何かを想い出させる……。
<POINT>
この作品で5作品目になるのですが、この作品が一番自分というものを出したものになったように思います。制作する者としてこんな考えは間違っているのでしょうが、今回のこの作品を作る時、まず念頭においたのは、今回は観る人のことを考えるのではなく、ひたすらに自分の描きたい世界、自分の心地の良い世界というものを作ろうということでした。だから、今回の物語は、それほど大きな盛り上がりがあるというわけでもなく、ただ淡々と進んでいきます。しかしその中で、主人公・章太の心が動き、章太、幻想の少女、そして凪の言葉が、そのそれぞれが一つ一つのメッセージのようでいて、最終的にはある一つの終着点へと収束していきます。
今回の作品では、登場人物の心理、そして、現実と幻想の世界の違いというものを映像的に表現しようと思い、編集段階で映像にエフェクトを加えました。そして、その世界観が崩れることのないよう、音楽も歌の入ったものは使わず、エンディングまで全て歌なしのものを使用し、声の面では、アフレコを行い、他の雑音が入らないようにしました。また、初めて血を使ったのですが、スタッフがオリゴ糖で見事なまでの血を作ってくれて、思いのほか良い出来になったと思います。そして何より、登場人物を演じてくれた3人の素晴らしい演技のおかげで、より良いものになりました。
 まだまだいろいろ反省する所ばかりですが、この映画を観終わった時に、観た人が自分なりの何かを感じ取ってもらえたら幸いです。



「シチュー」 (2008年度) 7分54秒
脚本・監督・編集:村瀬友則
撮影:楠原佑基
<STORY>
シチューを食べる女の子に忍び寄る悪夢。
<POINT>
非常に現実的でありながら不条理な物語。写実的なグロさが表現できた。結果として世にも奇妙な物語のような雰囲気になった。





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